ケンカ上等☆不良校上々↑↑




次に顔を上げた歩夢の目からは、零れ落ちる大粒の涙。


「芽咲にさえも言えなかった」


下唇を噛みしめて、尚も嗚咽を堪えてる。




「隠すことでしか関係を保てない俺は………っ、みんなを裏切ったってことになるの?」




歩夢………。



初めて、今初めて、あなたの闇に触れた。

ずっと隠し続けていた真実を知った。


どれだけ悩んでたんだろう。

どれだけ耐えてきたんだろう。



「そんなことないよ。
歩夢はあたしたちの大切な仲間だよ」


片手を伸ばして、指先で零れていく涙をすくう。



「あたしだって、仁のこと、悪い人だなんて思ってないよ」


きっと、あたしが歩夢の立場なら、同じようにしてた。


現に、口止めされてたのもあるけど、今まで仁と関わりがあるって誰にも言ってないんだし。




「我慢しなくていいんだよ」


泣きたい時に泣かなかったら、いつ泣くの?

歩夢は耐えたよ。

複雑な位置で、もういっぱい悩んだんでしょ?