急に背後から聞こえた声にビクッとなる。 ヤバい。 絶対的に不審者だ。 だって周りに人の気配ないもん。 怖くなって、振り返らずに前へ進んだ。 「おいっ、待てって」 有り得ない。 後付いて来るよ、この人。 どーしよう。 「みくる?」 うわあー、あたしの名前知ってるし。 ストーカーですか? 歩くスピードを上げて、ひたすら進む。 よしっ、走って逃げよ。 「きゃっ」 走って角を曲がろうとした時、ふいに腕を引っ張られた。 よろけたあたしの肩を掴む手。 ものスゴく近くに、相手の顔がある。