ケンカ上等☆不良校上々↑↑






「こっち」


指示をしながら歩いて数分。



「仁、歩夢、がんばって」


家に着いた時には全員が呼吸困難寸前の状態。



玄関で靴を脱いで、あたしは救急箱を探り出して。

歩夢は残る力で仁をあたしの部屋まで連れて行く。




ベットに横なった仁の顔を見て、あたしは無意識に宙で止めた手をぎゅっと閉じた。


「ヒドい傷……」


顔にできた傷口は、ほとんど血が固まっていて。




あたしが行く前に、誰かにケガさせられたの?

あの女の子も関係あるの?




問いかけの答えが、みつからない。




消毒液を片手に手当てしようとしても。

近づけた手を、振り払われる。


「……触るな」


かすれた声で、そう言われて。


「ダメだよ。
ちゃんと消毒しなきゃ」


なんだか、無傷なあたしのほうが泣きそうになる。