ケンカ上等☆不良校上々↑↑




まだ外が明るくて良かった。

大通りに出れば、安全は確保できるはず。



「あ、みくる。
できれば裏道通って行きたいんスけど」



大通り目指して前進体勢に入った直後、予想外にも簡単にそれは壊され。



「なんで?
こっちのほうが安全だよ?」

「だからっスよ。
こんなヒドい傷じゃ訝しいだけっス」

「周りから不審に見られる、ってこと?」



聞き直すと、コクンと無言で縦に首を振る。



「わかった。
その代わり、裏道で変な人に絡まれても相手しちゃダメだよ?」


それだけ告げると、歩夢は意外そうな表情をした。


「助け呼べないでしょ?
周りに人いなかったら」


理由を補足すると、今度は優しい笑顔で元気な返答。

「りょーかいっス」




仁をなんとか支えて歩き始めた歩夢の後ろ姿。


こんなこと言ったら失礼かもしれないけど。

あんな小柄なくせに、よく支えながら歩けるよなぁ、なんて。



「あたしも手、貸す」

「助かるっス」


ちょっぴり尊敬。