ケンカ上等☆不良校上々↑↑




歩夢!?

驚いて声が出そうだったけど、口が塞がれていたおかげでギリギリ阻止。



「説明は後っス」

あたしが質問するであろうことを察したのか、歩夢は片目を一瞬瞑ってニコッと笑う。


そんな時、壁の向こう側からコツコツと足音が聞こえて。



「こっちっス」

手を引かれて、さらに物陰へと身を隠す。



そこで、いきなり止まった足音に変わって反響した声。


「───私を潰してくれても構いません。
ただし、可能ならばの話ですが」




数秒間、声に対する返事がない。

もう返事はないと判断したのか、再びゆっくりと歩く音が繰り返さる。




あたしは緊張感と共に息を殺して、ただ相手が去るのを待った。




遠くへと消えていく音。

一瞬にして現れた静寂の波。



本当に相手に気づかれずに、隠し通せたのか。

不安に自分でも理解しがたいくらい、ドクンドクンと飛び跳ねる心臓。




押し潰されそう……。