ケンカ上等☆不良校上々↑↑




「そう簡単に物事が進むと思うなよ」



いつもの、真っ赤な髪が目印だった。

あたしの知ってる響く声じゃなくて、苦しそうにちょっと掠れた声を出す仁の姿。




「───そんな身体で何ができるというのですか?」


女の子は嘲笑うわけでもなく、坦々と問いを向ける。



「俺は、俺のやりたいようにやる。
いつか……おまえを潰す」


それに対して、強引に綻ばせた仁の顔は傷まみれで。

踏み出そうとした瞬間、膝から折れて地面に手をついた。



仁っ!


思わず大声と共に駆け出そうとしたあたし。



だけど、発したはずの声は声にならなくて。

無理矢理、背後から口を手で塞がれた後、建物の陰へと引き込まれた。



「っ…!」


誰!?



バクバクしてる心臓に耐えながら、振り返ろうともがく。

捕まってる恐怖なんかよりも、仁が大丈夫か気になってしょうがない。




「今出て行っても、こっちは無力なだけっスよ」


聞き覚えのある声が耳をくすぐって、身体を縛っていた力が緩んだ。