「───もう、あなたと分かり合うことはできないのですね」
ううん、違う。
あたし独りじゃない。
誰かいる。
もっと進んだ先に。
「───私の目的は変わりません」
どこだろう。
どこかから話し声が。
「───止めようなんて、考えないのが身のためです」
冷たい口調。
特徴のある高い声。
「───あなたの居場所は、どこにもありませんよ」
無意識に足音を立てないように、恐る恐る進んでいく。
あ………。
視界に声の持ち主を捉えた時、あたしは足を止めざる終えなかった。
前方には、あたしが探してた黒を纏った女の子。
不思議なオーラに包まれながら、奥のもう1人に話しかけている。
「───これからは敵同士、がんばりましょう」
それから、数メートル離れたところで壁にもたれかかって俯いているのは。


