気が動転して、わけも分からず涙が溢れる。
あたし、何言ってんだろ。
勝手に文句言って、泣いて、意味わかんないじゃん。
「傘、返す」
借りた傘を手に取り、歩夢の前に静かに置いた。
誰も口を開こうとしない。
「バイバイ」
早くこの場から離れたくて、気付けば学校を飛び出してた。
でも、
「ここ、どこ〜!?」
学校を出て数分歩いたところで、道に迷ったことに気付く。
こんな場所、通って来たっけ?
てか、こんな道、あったっけ?
曲がり角でキョロキョロ辺りを見回してみても、
「ないないないない、」
絶対こんな道知らない。
第一、裏道だし。
「何やってんだよ」


