「んー」
電話を終えて、思いっきり伸びをする。
よしっ、決めた。
こうなったら、とことん追いかけてやろうじゃないの。
大きく頷いて、視線を投げたカーテン。
眩しい日差しなんかに負けないんだから。
カーテンを両手で掴んで一気にバッと開く。
「うっ」
だけど、やっぱり眩しいものは眩しいよね。
日差しを遮るように手をかざして、眺め見ればいつもの風景。
目を閉じて風を感じてみれば心地よくて。
目を開けて部屋へと方向転換しようとした時、変な感じがした。
ん?
つい眉間にシワを寄せて、ちょっぴり身を乗り出す。
………誰?
あたしの家の前の道路に誰か立ってる。
気違いな程、黒のレースを身にまとった女の子。
肩で切りそろえられた髪は、灰色がかった中に濃い桃色が混じってる。


