ケンカ上等☆不良校上々↑↑




あたしは、思わず聞き返す。

とは言っても、首を傾げるだけなんだけど。




「今まで幸せだって思ってたことも、それ以上に幸せだと思うヤツを知ったら幸せじゃなくなる、っつーか」


そこまで言って、こっちに真っ直ぐすぎる視線が向けられる。


あたしは数回、瞬きをした。

なんとなく、落ち着かなくて。




「まぁ幸せだけど、言うほど幸せじゃなくなんだよな。
フツー、みてぇな感じ?」


うん、普通ね。


それって幸せの度数が減るってこと?

よく意味がわからないや。



「おまえには、一生わかんねぇよ」


そんな、決めつけなくても。




「なぁ〜、とりあえず歩こうぜ?
歩きながらでも夜空は見えるし!
なんてったって夜空は世界共通の美景だし〜」

「おい、だからって先行くな」


両手を高く挙げた太陽に続いて、翼は早歩きし始める。



「おまえも早く来い」

振り返り際にそれだけ言われて。