ケンカ上等☆不良校上々↑↑




校門を出た頃には、すっかりあたしはヘトヘトになってて。

体温が急激に上がったせいで、妙に暑い。



膝に手を置いて肩を上下させながら見上げれば、爽やかな笑顔が。


「いや〜、走った走った」


どうして、この人こんな元気なの?

おかしいでしょ。



「今日暖かいね〜」

そんな太陽は、伸びをしながら言って。


「暑っ‥」

それから翼は小さく呟きながら、力なくしゃがみ込む。



「あたしたち、何のためにこんな走ってたんだっけ?」


走ることに夢中で本来の目的は、もはや行方不明。



綺麗なものがナンとかって言ってたような。



「そうだった〜、上だよ上」

「上?」

「聞き返さないでいいから空見てみて」



薄暗い中に見える無邪気な笑顔。

その表情と言葉に促されて、あたしは空を仰いだ。





「………すごい」


無意識に声になったのは、その一言だけ。