太陽に気づいてか、翼の掴む手が離れていく。
未だ掴まれた感覚が残ってて、変にドキドキしちゃうし。
絶対あたし顔真っ赤だし。
目が泳いでるのが自分でもわかるよ。
「なんでみくるちゃん顔赤いの〜?」
その様子を知ってか太陽は不思議そうに、こっちを見てくる。
「別に赤くないよ?
ほら、夕陽のせいだよ」
「もう外真っ暗なんだけど〜」
「えっと……それは」
どうしよう。
せっかく瞬時に思いついた言い訳も、まったく意味を持たない。
これじゃ、誤魔化せないじゃん。
「で?何が綺麗だって?」
焦るあたしと対照的に、さらっと話題を変えたのは隣の翼。
「そうそうそうそう!
星がめっちゃ綺麗でさ〜。
ほら、早く荷物持って帰ろうぜ〜」
「おまえは小学生かよ」
「いいじゃん。
テンション上がってるだけだし〜」
ドキドキする胸に両手を当てて、あたしは1人佇む。
「みくるちゃんも帰ろ〜?」
声をかけられてハッとして、慌てて鞄を手に取った。


