お互い無言のまま、伸ばした手を翼に取られた。
掴まれた腕。
早まる鼓動。
絡み合う視線。
目を逸らすこともできず、瞬きを繰り返して固まるだけ。
ずっしりと重い沈黙が居心地を悪くさせるから。
あたしは思わず、口を開く。
「あのね、あたし、」
続きなんて考えていたわけじゃない。
とっさに浮かんだのは、ただ一言。
「あたし、」
このタイミングで2回目の告白も、どうかと思うけど仕方ないよね?
伝えられるチャンスがあることには変わりないし。
前は夢中で泣いてたから大丈夫だったけど、今はドキドキが異様に苦しい。
「だから、あたし、翼のことが、す───」
「聞いて聞いて〜!
ヤバいって。外見た?
めっちゃキレっ………あれ?お取り込み中?」
雰囲気ぶち壊し。
室内を満たしていた緊張感は何処へ。
「太陽ーっ」
なんで今なの!?
タイミング狙った!?


