そう、傘貸してもらって……







「あぁーーーーーーー!!」


教室中に響いたあたしの声に、笑い声はシンと静まる。




「いきなりデカい声出してんじゃねぇよ」

「翼、どーしよ!
歩夢に傘、返せない」

「はあ?傘?」





傘を借りたのはいいものの、

歩夢の通う高校の場所も知らないし。


歩夢と連絡も取れないし。




どうやって返せばいいの?






「歩夢って、竜巻のとこのヤツだっけ〜?」


ふと太陽が思い出したように言った。



「タツマキ?」

「そ、海風高校、通称竜巻」



ウミカゼ高校、なんて初めて聞いたかも。



「太陽、その高校の場所わかる?」

「いや、わからなくもないけど〜‥」