太陽の口から初めて聞く単語に、あたしの耳は過剰に反応する。


「棘は、ここら辺では最強の不良グループなんだぜ〜」



なぜか、自慢げに語るその瞳は嬉しそうに輝いてて。

いくら関わりがないグループでも、仲間割れの話を嬉しそうに語るのはよくない気が。




「で、念のため伝えとくけど、棘が弱ってる今、最強の座を手に入れるぞ〜!」


え!?

まさか、あたしたちもケンカするの?



「って、いろんな学校で騒ぎが出てるから〜」


なんだ、違うのね。



「みくるちゃんもケンカに巻き込まれないよ〜に気をつけてね〜」




…………それって、


「どーゆーこと?」


あたしが悩み始めると、太陽は無理矢理笑顔を作ってから、また言葉を付け足す。


今の笑顔、絶対あたしをバカにした笑顔だ。




「よ〜するに、多くの不良たちが最強の座に昇格するため、オレらも狙われてるよって話」

「最強になるためには、稲妻も倒さなきゃいけないってことっスよ」



歩夢も参加して解説をくれるけど、正直難しい。


「そしてさらに、よ〜するに、稲妻が狙われてるよってことは、最もみくるちゃんが狙われてるよって話」