「白石こそ、芽咲のこと、ちゃんとわかってるんスか?」

「バカにすんな〜。
オレと芽咲は幼なじみなんだから、鈴野よりオレのが断然関係深いんだよ」



でも、それでも、やっぱりあたしは翼のことが───





「幼なじみとか、ぶっちゃけ関係ないっスからね」

「なんだと〜!やんのか、こらぁ〜」

「ちょっと2人共!
やめてよ、またケンカ?」




耳に入ってきた太陽の大声で、ハッと現実に戻ってきたと思えば。

目の前には再び攻撃態勢の2人。


仲がいいんだか、悪いんだか。



「……ごめんなさい」

ぼそっと歩夢が言うのに対して、一方は笑顔満開中。


「太陽も、ちゃんと反省してよ」


その純粋な笑顔を見ると、今のあたしは潰れそうになっちゃうんだ。

自分がかっこ悪すぎて。



「まだ、聞こうと思ってたことあるんだけど〜」


笑顔を消し去って続ける太陽を見て、今度は押し寄せてくる不安。

なんだか、ここにいたら聞きたくない単語が飛んできそう。

そんな微かに現れた不安は、見事に的中して。




「オレが、最初の頃に言った忠告覚えてる?」


いつになく真剣な眼差しを向けてくる太陽に、さらに不安が増した。