あたしも、しゃがみ込んで歩夢に尋ねた。
「さっき、間違えて右手使っちゃって」
返ってきた答えに、記憶を少しだけ戻してみる。
「ひょっとして〜‥オレのこと右手で殴った?」
あたしよりも先に、太陽が原因をみつけたみたい。
頷いた歩夢に対して、責任を感じているのか、繰り返される謝罪の言葉。
「別に白石のせいじゃないっスよ」
困ったように笑いながら、必死になって謝る太陽を止めようとする。
素直に謝れるところは、太陽の長所なんだろうけど。
謝りすぎってのも、どうかと思う。
「もう謝らなくていいっスから」
「いや、ホント〜にごめん!
オレのこと殴っていいから。
あ、左手でね〜」
「だから、もう平気っスよー」
素直に謝るだけで、人を困らせちゃうなんて。
ちょっとすごいかも。
「あ、でもさ〜、傷の手当て、してもらってなかったっけ〜?」


