ケンカ上等☆不良校上々↑↑




あれ?

なんか、様子が変。


一瞬見せた歩夢の歪んだ表情。


あたしの見間違い?

でも、やっぱりおかしいよ。




「太陽、ちょっと待って」


今にも殴りかかりそうな太陽から、歩夢を庇うようにして割り込んだ。



「みくるちゃんは鈴野の味方なの〜?」

勢いのあった拳は、力なく下降していく。


しょぼんと肩を落としては、答えを待つようにあたしを見てて。



「味方とかじゃなくて───」

「くっ……」


歩夢の表情に違和感があったから。

そう伝えようとした矢先、背後で苦しそうな声が漏れた。



振り返ると、右肩を押さえてしゃがみ込む歩夢の姿。



「鈴野?え?どした?」

慌てて近寄った太陽は、俯く歩夢の背中に手を置いて覗き込む。



「ちょっと、痛かった‥だけっス」

「無理して笑うな。
ちょ〜苦しそうに見える」


確かに“ちょっと”って言い切れるような雰囲気じゃない。


「どこか、怪我したの?」