「みくるは付き添いっスよ」
あたしが口を開く前に、歩夢が太陽を見上げながら答えた。
太陽は、答えを聞くと目の前まで来て。
なぜか真顔で、あたしの肩にポンと手を置く。
「みくるちゃん、ウチの犬が寂しがり屋なばかりに……ご迷惑おかけしました」
「ウチの犬?」
っていうのは、アレ。と指差された歩夢だそうで。
「えっ、俺っスか?!」
まさか自分だとは思っていなかったらしく、驚いたように声をあげた。
「別に寂しがり屋じゃないっスよ」
ちょっぴり拗ねた口調。
「でも歩夢って結構怖がりだよね」
犬苦手みたいだし。
「鈴野は幽霊が怖いんだよな〜?」
楽しむように、太陽があたしに続く。
「そんなこと……いや、あるけど!
いいじゃないっスか」
あ、すんなり認めた。
「そりゃあ怖いものの1つや2つ、あって当たり前っスもん」


