「まずはさ、ノックしようよ。
いきなり開けたら驚いちゃうし、太陽がいるか確認」
「そっスね、じゃあ……」
あたしの提案に、再び恐る恐る歩夢の手が伸びていく。
緊迫した空気の中、今にも小さくコンと音が鳴りそうな時───
───ガチャっ
「ひゃっ」
「うわあぁ」
「うおっ、ななななな.なに!?」
コン、ではない音とほぼ同時に3つの大きな声が重なった。
まだ触れる前に開かれた扉の先には、顔を引きつらせた太陽。
ちょうど太陽が部屋から出ようとしていた時に、歩夢がノックしようとしたらしい。
「…みくる……」
さらに瞳をウルウルさせながら、あたしにしがみついて震えてる。
相当怖かったんだろうな。
突然勝手に扉が開いたんだから。
「なんだ、みくるちゃんか〜。
ついでに鈴野も」
ほっとしたように表情を戻すと、浮かべる笑顔にお馴染みのえくぼ。
「ついでに、じゃないっスよー!
あーもう、びっくりしたー」


