「問題?」
意味がわからず、つい尋ね返す。
「そ、問題。
こんなことで、あきらめちゃうのは、みくるらしくないっスから」
あたしらしく、ない?
「結ばれる可能性があるなら、あきらめないのがみくるっぽいし」
ね?と最後に同意を求めるように付け足されたから。
うん。の代わりに、握ってる手に力を入れた。
ねぇ翼。
もし、あたしが返事を聞いてたら、なんて答えてくれたの?
答えがあたしの望みと違ってたとしても、好きでいても、いいよね?
「ここっスね、太陽の部屋」
ようやくたどり着いた、1つの扉の前で立ち止まる。
ゆっくりと伸ばされた歩夢の手は、扉を開けるのかと思えば、すっと引っ込んでしまった。
「どうしたの?」
「部屋があってるか今頃になって不安が……」
部屋数、ハンパないもんね。
こっちを見つめる涙目な子犬が目の前に。
悔しいけど、可愛いよ歩夢。


