ケンカ上等☆不良校上々↑↑




「うわっ」

何かあったわけでもなく足を止めた歩夢に、見事ぶつかってしまったあたし。



「ほら、やっぱりわかりやすい」

体ごと振り返った歩夢は、呆れたように笑って言う。



「今、好きな人のこと考えてたっスよね?」

「えっ、」

「今さら言い訳してもバレバレっスよ?」



当てられた事実に、言い返せない。

黙って俯いてると、また手を引かれた。





「そんなに好きなら、後悔する必要ないっスよ」


ゆっくりになった歩調。

それは、きっと歩夢の優しさで。

あたしは、とことん周りに甘えてばっかりだって思う。



「伝えられたなら、いいじゃないっスか。
自分の気持ち」


うん。

そう考えれば、進展したってことだし後悔なんていらない。



そうなんだけど………。

そんな簡単にプラス思考できるほど、あたしは強くないから。