「………怖くて、聞けなかった。
翼も何も言わなかったし」
答えると、やっぱり、と芽咲は苦笑いを浮かべる。
「まー、そんなとこだと思ってた。
翼はみくる連れてきた後、なんも言わないで帰っちゃうしさ」
「そっか」
空気が、なんとも重苦しい。
たぶんそれは、ここにいる全員が感じていること。
「あ、そうそう。
今日はみくるも泊まっていきなよ。
時間遅くなっちゃったし、芽咲命令ってことでー!」
話題をワザと変えたのか、ちょうど思い出したのかは別として。
突然の誘いに戸惑ってしまう。
「ほら、お泊まり会第2段だよ」
手をチョキにして、あたしに向けてくる。
「でも、そんな急に平気なの?」
「みんな泊まっていくっぽいし、平気平気♪」
「みんな?」
ってことは、アキちゃんも、だよね?
どうしよう。
ちょっと、いや、かなり気まずい。


