「ひょっとして、翼に告ったとかぁ?」
「なななな.なに、い.言ってんの?!」
覚えてるのは、涙が止まらなくて、意識もあやふやで。
そうだよ。
意識もはっきりしてなかったんだ。
だから、翼に……キスしちゃったのも、夢かもしれないし。
うん、夢だ。
夢であってほしい。
現実でもあってほしいんだけど。
あれが夢じゃなきゃ、気まずすぎて顔合わせられない。
そこから記憶がないから、きっとあたしは泣き疲れて寝ちゃって。
「その焦りよう、確実に告ったんだね」
「…………」
それで、翼が芽咲の家まで運んでくれた。
ってことで、いいのかな?
「黙ってるなら、勝手にイエスって解釈しちゃうけど?」
さらに面白そうに探索してくる。
あたしは下手な嘘をつくのも嫌だったから、素直に黙って。
「で?返事聞いた?」
素直に首を横に振った。


