ケンカ上等☆不良校上々↑↑




「最近な、学校同士の争いがデカくなってんだ」


それから、優しい口調で、翼は話を続ける。



「あちこちでケンカが起きてる。
だから、こんなとこ1人で歩くんじゃねぇぞ」


知らなかった。

何も、周りの出来事なんて。




『こんな時に1人にさせるのか、おまえんとこの連中は。
油断しすぎにも程があるぞ』


そーいえば、仁がそんなこと言ってたっけ。

あの言葉も、ひょっとして今の状況を指し示していたのかな?





「それなら、ちゃんと教えてくれれば良かったのに」


こんな時まで文句しか言えない自分が、どうしようもなく憎いよ。


本当は、お礼を伝えたいんだ。

心配してくれて、ありがとうって。





「おまえさ、こういうこと言うと気にすんだろ」

「え?」


呆れられるかと思ってた。

予想外の言葉に、あたしは何度か目を閉じたり開けたりする。




「もし、ケンカが増えてるって言ったら……俺らの安全を気にすんだろ」