ケンカ上等☆不良校上々↑↑




その場に立ち止まって、ちょっとだけ大きな声を出す。




「ん?」


けど、ようやく振り返った翼は、少し疲れたような顔をしていて。


あたし、疲れさせちゃったのかな。





「………ううん、なんでもない。
早く用事済ませて帰ろ?」


不安になった気持ちを隠すように、笑顔をつくった。






無理だよ。


翼にとってあたしは、普通のどこにでもいる女の子なんだから。


クリスマスに一緒にいられることだって、奇跡に近い。




守るって言ってくれるのも、単純にあたしが稲妻のリーダーだから。

ただそれだけのこと。









自分の足元を見ていると、ふと前から人の気配を感じた。



「わりぃ、寒いよな」


顔をあげると、翼があたしの手に目を向けているのがわかって。


合わせていた両手を慌ててうしろに隠した。





「寒くないから大丈夫だよ」