クリスマス前に決めた芽咲の勝手な計画により、仕方なく外に出ることに。
「こんなに冬って寒いんだね」
「…………」
しかも。
ほんの少しだけ前を歩く翼は、さっきから黙りっぱなしで。
返事があったとしても単語。
がんばって話題を考えるんだけど、話は全然続かない。
「翼もなんか喋ってよ」
冷えた手を温めるように、すり合わせながら背中に文句を言った。
話が続かないのは、やっぱり寂しいよ。
芽咲の家を出た時は、緊張しちゃってて。
あたしも口を開けなかったけど。
せっかく、いっぱい話せるチャンスなんだもん。
笑顔で語り合いたいじゃん。
「ねぇー、聞いてる?」


