ケンカ上等☆不良校上々↑↑




「…わかったよ」



静かに返された答えに、あたしは顔を上げる。


「本当っ?」


聞き返すと、縮まった距離。

街灯の光で、顔が少しだけど見えるようになった。





あれ?

この人。




「本当だ。

その代わり、」



どこかで………。




「味見させろ」

「え?」



どこかで見たことあるよね?



自分への質問が頭をグルグル回る中。


「ちょっ───」



顎をクイッと上げられて、唇に何かが当たった。



「っ!」



それは、数秒間の短いキス。


驚いて目を見開いてるうちに、唇と唇の間にできたわずかな隙間。




「ごちそーさま」


至近距離で言うから、熱を帯びた唇に、熱い息が触れる。





「な.なんで?」



そんなあたしの疑問は届かない。





今のって、キスだよね?

そーなんだよね?





街灯に照らされたあなたは、すごく綺麗で。


でも、それよりも印象に残ってるのは、あの真っ赤な髪だった。