「おまえは外でも見てろ」
「太陽に何するの?
ヒドいことしないでよ」
ぎゅっと翼の腕を掴んで離さない。
目の前で、誰かが傷つくのは嫌だ。
お互いの瞳を、じっと見つめ合う。
「はぁー‥」
不意に零されたため息。
「ったく、わかったっつーの」
最後は翼が断念してくれたおかげで助かったけど。
太陽は力が抜けたように、壁に背中を預けたまま小さくなっていく。
うずくまって、微かに震えてる腕を必死に落ち着かせようとしていた。
「みくるも守れねぇで、どうすんだよ。
てめぇには芽咲がいんだろ。
アイツだって女なんだし、いつ危なくなっかわかんねぇんだぞ」
翼が言っていることは、正しいことで。
よくよく考えてみれば、芽咲だって竜巻の頭にいるわけで。
他校から狙われるのなんて当たり前かもしれないのに。
今はあたしを守ってくれてる。
芽咲が誰かに頼ったり、守られてるとこなんて、
1回も見たことない。


