『アイシテルヨ、みくる』





いかにも作った低い声です、

っていう言い方をした愛の告白が耳に届いた。






「ふぇ?」

『キミの笑顔にボクの心は一撃さ』





受話器越しに、寒々しいセリフが聞こえてくる。


鳥肌立つよ、鳥肌ーっ!





「どちら様ですか?」

『ボクは星の国からキミを迎えにやってきた、イケメン王子だよ』



今度は本当にケータイを耳から遠ざけて、芽咲を見る。




「どんな内容〜?」

相変わらずニコニコな芽咲に説明。



「なんかメルヘンチックなの出てきた」


ついでに、

「自分で自分をイケメン王子って語るナルシスト」




それを聞いてさらに大爆笑の渦。


後ろのベットでは、アキちゃん苦笑い。





まだ続いているであろう意味不明なセリフを聞くために、

通話ボタンをもう1度クリック。