早めに忠告しておかないと、どさくさに紛れて、奢せられるし。


お金持ちのくせに、調子いいんだからさ、まったく。




「え〜〜ケチ」


頬を膨らまして文句をブツブツ言う。


こーゆー時は、ほっとくのが正しい答え。





「今日さ〜、アキはみくるに話があったんでしょう?」


思い出したように言った芽咲の言葉で、あたしもそのことを思い出した。



「それなら私、邪魔だよね〜?」



気をつかって、席を立とうとする芽咲を、腕を掴んで引き止める。


絶対、あたしとアキちゃんじゃ話す前にケンカになるもん。





「せめて食べていきなよ?」


あたしが目で必死に¨2人きりにしないで¨と、訴えるものの。


「でも邪魔したくないしさぁ〜」


気付いてくれない。



いや、ワザと気付かないフリしてる?