「ありがと」
「いえいえ。
ファミレスって、そこだよね?」
指差す方向、オシャレなファミレス。
窓際の席に、1人で座る女の子の姿。
アキちゃんだ。
「行こ」
少し前を歩いてた芽咲の手を引いて、店内に入った。
ようやくアキちゃんの席までたどり着くと、
赤いケータイを開いたり閉じたりする動作を繰り返してるのがわかった。
グラスの半分まで入ったオレンジジュース。
「遅れてごめん」
何を言われるのか、内心ドキドキで謝罪。
あたしを見たあとに、うしろに立ってる芽咲に視線を移す。
頬杖をついて、ため息を零したあと、またあたしを見た。
「座れば?」


