ケンカ上等☆不良校上々↑↑




「やだなぁ、もう。
そうゆうことは、もっと早く言ってよねぇ」

あたしの反対意見を告げる間もなく、ますます上機嫌になるお隣さん。



「でも性格が、」

言いかけたセリフでさえも

「性格なんてね、可愛けりゃ何でも許されんのよぉ」

中断された上に否定される。


何でもって、さすがに許されないことだってあるよね?



「みくる、眉間にシワ寄ってるぞぉ」

「え、嘘っ」


指摘に慌てて手で覆った顔。

ヤバい、考え込みすぎちゃったみたい。


そのまま顔を隠してると、さっきまでのかすかな振動が収まる。

車、止まったのかな?



「あ、着いたよ」

指の隙間から覗くと、首を傾げて笑みを見せる芽咲。

背後の窓からは、駅へ駆け込む人たちが見える。


そっか、意外とあっという間に目的地なんだ。



「降りよう、みくる」

それだけ言って、先に車の外へ。

あたしも降りなきゃ、なんて思って慌ててたらドアを芽咲が開けてくれた。