「あははっ、ごめんごめーん。
ちょっとボケてみたかっただけ」
楽しそうに笑いながら、お馴染みの巻き髪を指でいじり始める。
いつでも楽しそうにしてるなぁ、芽咲って。
「そのコ、名前は?」
「アキちゃん。
えっと、柊、アキ」
名前を言った途端、髪をいじる指がピタッと止まったのが見えた。
そして次の瞬間、ものすごい勢いで身を乗り出してくる。
「柊アキ!?」
「え、うん」
あまりの勢いに圧倒され、つい反射的に顔を少し引っ込める。
「それって、桜高で美人グランプリに選ばれたコじゃん」
「うん、そだよ」
「マジでぇ!?
すごいじゃあん、みくる」
す.すごい?
「何が?」
「だってね、柊アキって他校にあんま友達つくんないんだよ」
…そーなの?
人見知りそうには見えるけど、実際話すと人懐っこい部分もあると思う。
それに、翼にバリバリ逆ナンしてましたけど。
あたしが知り合ったのも、それが原因だし。


