「何で…?」

充は静かに口を開いた。

「好きな人が出来たの」

「そっか…分かった」

終わりとはあっけないもの。

ついこの間まで「好きだよ」とか「絶対結婚しよう」とか言っていたのに。

本当はちょっとだけ期待してた。






「絶対別れないからな」





そう言ってくれるのを。

奈津子は立ち上がると屋上を後にした。