その日はよく眠れなかった。

あの後、告白らしいものはなかったが事実上は恋人のようなもの。

家まで送ってもらった奈津子は改めて幸せを噛み締めた。

そして同時に充との別れの言葉を探していた。

翌朝、コンシーラーで目の隈を隠して登校した。

まだ心の準備が出来ていない。

充に別れを告げる心の準備が。

幸か不幸かその日の登校時間には充と会わなかった。