「沙知、妊娠してないか?」
一瞬時が止まるとはこのことだ。
頭が真っ白になりつつも、生理予定日まであと何日もなかった。
「生理予定日過ぎてから考えようよ」
私は冗談混じりに笑って答える。
でもたかちゃんは本気の目をして話を続ける。
「とりあえず検査薬使ってみようよ」
私はたかちゃんの本気に逆らえるはずもなく、薬局に行き検査薬を買った。
何度も何度も使った検査薬。
妊娠したら結婚しよう
妊娠してなくても結婚しよう
と言ってくれていた、たかちゃん。
私はずっとずっと今の今まで信じてたよ、あなたの言葉を。
あなたの決意を
あなたの意志を
あなたの、その全てを。
なんだかんだいろんななことがあったけど
信じてたんだよ、
その真っすぐな気持ちを。
