「今仕事から帰ってきてさ。熱は大丈夫?」 って。 「帰ってきたっていうのは嘘。今さ、沙知の家の近くにいるんだ」 え? 「昨日のこと謝りたくて。昨日の俺の態度は酷かったよなって。ドアノブに飲み物とかフルーツが入ってる袋をぶら下げて置いたから、食べてよ」 って。 私は携帯を耳にあてたまま玄関を開けた。 そしたらほんとに袋があって。 まだ家の目の前にいるって言うから 「今行くから待ってて!」 と言って外に出た。