最初は、すごく戸惑った。

そんなに信用できないのか、って…。

本来なら、そういう人が嫌われるのではないか…と思った。


「そんなの、シカトだよ、シカト~♪」

あたし宛のメールなのに、あたしより先にメールをみる真紀。

(…うざ…)

「なになに~?『あたしどうしよ…』だってぇ~♪奈央、どうしよ~?♪」

「…え………えー?どうしよぉー?♪」

ハハハッ♪

周りの女子が爆笑する。

…これが、日常。







「奈央…なにやってんの…?」


一気に笑いが止まる。


「…健…。」

健は、あたしと幼なじみの同級生。
クラスは違うけど、同じ学校。
あたしが、小さい頃想いをよせていた人…

「…これ…渡せって頼まれて……はい…じゃあ、渡したから…メールしといてやれよ…」

渡されたのは、一枚の紙切れ。
健の手には、二枚の紙切れがあった。
もう一枚は…何…?
なんだか、むしょうに気になった…

「…待って…」

「…何だよ」

「そっちは…何?」

「…別に…」

そう言って、行ってしまった。




「えーと…奈央?今の誰?結構かっこよかったけど…」

空気の読めない真紀。

「…ただの…幼なじみだよ…」

「ふぅーん…」

真紀に、話題が膨らむからといって、いろんな事を言うとロクなことがない。

「…ね、ねぇ!?もうすぐ授業始まっちゃうよッ」

明るく由絵…あたしの親友が言う。