評判の良い女がキレる。
「はぁ?今なんつった?」
嫌われた女が戸惑う。
「…いや、だから…」
バンッ
「……痛…」
「だったら、もう2度と顔みせないでね?」
…そんなクラス…。
嫌われた女生徒は2度と学校に来ないだろう…。
あたしは評判の良い女の所にいる。
巻き込まれたくない
嫌われたくない
普通でいたい
それが理由。
「やめなよ」
とかの自分の意思とか正義とか持ってたら、ここではやっていけない。
「奈央。」
井坂奈央…って名前。
「ん?」
「うち…真紀が友達にまであんなことするなんて…思わなかった…」
「あたしらだって、悪口言ってたもん…それを真紀が行動にしただけだよ。」
評判の良い女、真紀は、良い意味で人の代わりにいろいろしてくれる。
だから…なのかな…評判が悪くない…というより、良い…。
嫌なクラスにみえるけど、あたしにとっては、普通に過ごしていられてるクラスなんだ…。
男子はいるけど、皆黙ってる。
そう、普通はそうなんだよ…
皆、普通に、巻き込まれたくなくて…
普通に過ごしてて…
…ピルル…ピルルルル♪
静かな教室に、メールの着信音が鳴り響く。
相手は…嫌われた女、紗枝。
「奈央ぉ~、誰から~?♪」
「…紗枝から。」
真紀は、自分の所にいる友達をいつも監視している。
メールの受信BOXも、よくみられる。
