「ハァハァ……鈴!!」 走って行った彼女を追いかけ、隼人はやっと鈴の腕を捕まえた。 「鈴!なんで逃げるんだよ!?」 「……ッ」 何も言わない彼女の肩は、小刻みに揺れていた。 「え…。ごめん。そんなに怒ってないから泣くなよ。」 彼はそれにやっと気付いた。 でも、腕を掴んだ手は離さなかった。 _