「先輩。」 「何?」 ドキドキしてるのが自分でも分かる。 「その『君』っていう呼び方、止めて下さい。」 先輩はそれを聞いてちょっと困ったような顔をした。 「じゃあ何て呼べばいい?」 もう心臓が限界にきていた。 私はふい、と顔を逸らす。 「かな、でいいです。」 ある程度落ち着いてきたのでもう1度先輩の顔を見る。 「うん。わかった。」 自然と肩の力が抜ける。 「じゃ、『先輩』って呼び方も止めて?」 無邪気な笑顔。 ちょっとした悪戯をした後に見せる小さな子供のような笑顔だった。