『柳沢かなさんへ。 田代勇人より。』 それは、あいつからの手紙だった。 これをもらったのは高校入ってすぐ。 それを私は大事にいつも持ち歩いてた。 だって告白されたのなんて初めてだったし、それに何より嬉しかった。 「はぁ……」 知らず知らずの間にため息が出る。 手紙を開く。 ルーズリーフを簡単に4つに折っただけの手紙。 『かなさん、俺は入学式の時あなたに一目惚れしました。付き合って下さい。 返事待ってます。』