「ねぇ、どうして授業中に声上げたの?」
「先輩が校門くぐるところが見えたから。」
「えー、じゃぁ今から3年生の教室に行っても意味ないじゃんー。」
「うん。だから恵美、もう帰ろ?」
「うん、そうしよっか。」
私たちは下足棚の方へと向かう。
私たちの教室は3階なので昇降口までけっこうな距離がある。
「あー、疲れた。」
やっとの事で昇降口までたどり着く。
「1年生の教室も1階にあればいいのにぃ」
自分でそんな事を言ってどきりとする。
1階には3年生の教室。
…先輩、なんで早退したのかな?
あぁ見えて結構からだ弱いとか?
「ちょっと、かなー?」
恵美の言葉にはっとする。
「もしかして今、先輩のこと考えてたでしょー?」
ますますどきりとする。
「えっっ?!」
