狭い階段をのぼっていくと風の気配がした。 私の胸は何故だか分からないけど高まっていった。 階段をのぼり切ると、薄汚れたドアがあった。 思いっきりそのドアを開け放つ。 迷いを振り切るように。 ドアを開けた瞬間、5月の暖かい風が勢いよく吹き込んできた。