しばらくぼーっとしていたが、ハッとして俺は家に入った。

「お帰り悠也、ご飯は?」
「ん、いらないや」

母さんはあらそう、と言ってリビングに戻っていった。
俺は玄関近くにある木の階段を上がって自室に入る。

机に手紙と名刺を置いて、携帯もポケットから出す。
メールはきてない。

座って、まずは…誰からだろう…と、俺は黒い封筒をひっくり返す。

差出人不明…?

そればかりか宛名にも、俺の名前が書いてあるだけ。
…変だな…
俺は恐る恐る、封筒の中の手紙を抜き取った。

「えー…なになに」

丁寧に三つ折りにされた手紙を開くと、そこには…にわかに信じがたい事が書いてあった。

「あなたは…一週間後…お亡くなりになります…?」