───…カタコトと揺れる馬車の中に

ソフィとスワローズは、いた。



ソフィは、ぼぅっと

過ぎ去っていく風景を眺めていた。


バスケットの中に厳重にしまわれた銃が

バスケットの中で揺れる。


スワローズは、いつも通りの無表情で

ソフィの隣に座っていた。



ソフィは、あの日の事故のことを

思い出していた──…



「……誰?」


カタカタと揺れて開いた窓に

幼いソフィは訊ねた。


「驚いた…」

と男は瞳を見開いて呟く、


「こんなところにソフィ姫がいるなんて…」