──…カツーン、カツーン..


明るい暗闇の中、

石畳の上に響く足音..


キルトは、鉄格子の間から

漏れる月灯りを眺めていた。



「キルト様」

その声にキルトは、首を回す


「なんだ、デカルトか」

とキルトは、気怠そうに

ため息をついた。


デカルトは、にっこりと微笑む。


「何の用だ?」


キルトの問いにデカルトは、


「今日は、戦いが明後日に始まりますことをお知らせにきました」

と声のトーンを少し落として言った。



……始まり、か。


それを聞いたキルトは、

前髪を軽く落とした。