いつ、裏切られ棄てられるか

分からないこの体を


たった一人の男に預けてしまう事。


それは、


大きな賭になるから──…



「……まぁ、デカルトに聞けば間違いないか」

とトラキアは、そう納得して

上機嫌にスキップしていった。



俺は、優しいモノに賭けた。


裏切られても

今、死ぬのと後で死ぬのも


同じことだと思ったんだ。



だけど、俺はきっと

誰かにすがりたかったんだ。


今なら分かる、

優しさに立ち向かえた今ならば──…