「すごく痛そうなんだけど…、我慢しないほうがいいんじゃない?」 ミルーラは、今度は 不安そうにトラキアを見つめた。 ……見透かされてる、か。 「…………うん」 と言ってトラキアは、 素直に左手を下ろした。 その表情は重く沈んでいる。 「───…キルト様は、平気?」 ミルーラは、ふと呟いた。 「王子?」 トラキアは、怪訝そうに訊ねる。 「ソフィ様、いなくなっちゃった..から」 ミルーラは、瞳を歪めて言う。